(C)TOSSインターネットランド>中学校>理科>エネルギー 作成:小森栄治(TOSS中学)
おもちゃでエネルギー変換を考える
〜生徒を引きつける導入教材〜
■ポンポン丸(ろうそく船)
昔懐かしいブリキのおもちゃである.私が小学生の頃,たらいに浮かべて遊んだものと全く同じもの.
【入手先】……むかしのおもちゃを売っているお店(800円前後)
中村理科(1260円)
【授業でどう使うか】 授業展開,発問と生徒の発言の概略
・エネルギー変換の導入(化学エネルギーからの変換例)で用いる.
・生徒を回りに集め,ろうそくに点火して船を走らせる.
音を立てて走るようすに,生徒はびっくりする. →動画はここをクリック.
・「この船は何エネルギーで動いていますか?」
火がついているので,「熱エネルギー」に気づく.
・「熱エネルギーのもとは何ですか?」
→「ろうそくです」
「ろうそくのもっているエネルギーを何といいますか?」
→「化学エネルギーです」
・「では,今ここで起こっているエネルギーの変化を最初から全部いうとどうなりますか?」
→「化学エネルギーから熱エネルギー,熱エネルギーから運動エネルギーです」
【使用にあたって】
・授業で扱うときは,コンテナボックス等に水を入れて浮かべて走らせる.
・火をつける前に,付属のストローでパイプに水を満たすことになっている.
ストローより,プラスチック注射器やスポイトを用いた方が簡単である.
・ろうそくは,新品の長いものより短い方が使いやすい.
・火を使うので,教師がいないときに生徒が勝手に遊ばないように注意しておく.
「遊びたい人は先生に申し出て許可をもらってから火をつけなさい」と言っておき,マッチは出しっぱなしにしないで教師が管理する.
■とことこマンモス
これも,昔はやったおもちゃ.糸につるされたおもりでマンモスが歩く.
電池を使わないで動くおもちゃは,今の生徒の目には新鮮に映る.
【入手先】おもちゃ屋さん,中村理科(924円)
【授業でどう使うか】
・エネルギー変換の導入(位置エネルギーからの変換例)で用いる.
■スペースワープ(バンダイ)
直径1センチぐらいの鉄球が転がるだけの単純なおもちゃ.しかし,見ていて飽きない魅力がある.
新任の頃(1980年代前半),冬休みに数日かかってコースを組み立てた.
けっこう高くて買うときに迷ったが,今後授業でずっと使えると思い,一番大きなセットを買った.
その後,20年以上,エネルギーの授業のたびに生徒の興味関心を集めている.
【入手先】 製造中止となり,入手困難であったが,2005年2月にバンダイから復刻される.
3回転ループの部分を拡大.
【授業でどう使うか】 授業展開,発問と生徒の発言の概略
・生徒を回りに集める.布などでカバーをしておいてサッとはずすと効果的.
鉄球をスタート地点から転がす.
スピードを上げ,コースを走るようすに,生徒はびっくりする.
→動画は,ここ(全体,ループ)をクリック.
・「鉄球は何エネルギーで動いていますか?」
→「位置エネルギーです」
・「今ここで起こっているエネルギーの変化を言いなさい」
→「位置エネルギーから運動エネルギーです」
・「コースの最後の方では,スピードが落ちてしまいます.その原因は?」
→「摩擦です」 (空気抵抗もある)
・「スピードが落ちているときの,エネルギーの変化は何エネルギーから何エネルギーですか?」
摩擦による熱の発生を扱っていないと難しい.
→「運動エネルギーから熱エネルギーです」
【使用にあたって】
・あまりにも生徒の興味を引きつけてしまうので,最初は布などでかくしておいてから登場させる.
・鉄球が脱線して落ちたときに拾うために,割り箸などに磁石を貼りつけたものを用意しておくとよい.
・授業終了後は,休み時間に出しておき,遊ばせるとよい.飽きずに何度でも見ている.
ただし,玉の紛失には注意したい.(東急ハンズで入手可能)