興味・関心を高める理科授業を

テストの点数はとれても,理科が好きでない子どもたち
 中学生になると理科嫌いが増えるという調査が多い.
 理科嫌いが「増える」のではなく,理科嫌いを教師が「増やしている」のではないか.
 理科が好きになるのも,嫌いになるのも教師次第なのである.

●モノで勝負.実物を持ち込む.たとえ草1本でもあるのとないのでは,大きな違い.
 向山洋一氏の理科授業のキーワードのひとつは,「あきるまで実物にふれさせる
   「これが理科教育の根本である」……『教え方のプロ・向山洋一全集』8巻11ページ
   「ものがなければ理科の授業ではない」  同上12ページ

●体で感じさせる.たとえば,1.5リットルのペットボトルに水を入れたものが,
   ・1日の唾液の量.1〜1.5リットル(1本弱)
   ・胃液は,2〜3リットル.(2本弱)
   ・血液,小学生なら3リットル.(2本)
 数字を言うだけでは,おもしろくない.しかし,このように実感できると興味をもつ.
 教室の面積や体積も利用できる.
   ・教室には,空気が300kgぐらい入っている.
   ・教室の中に水蒸気が,ペットボトル1本分以上入っていることが多い.(温度や湿度によって異なる)
 密度では金の重さを体感させよう.
   ・1斗缶に水を満たすと,1辺10cmの立方体の金の重さになる.

●楽しいイベントと感じるような授業
 イベントというと「お楽しみ」だけになりがちであるが,単なる「お楽しみ」ではない.
 生徒が「イベントとのようだ」と感動を味わいながらも,しっかりと知的に育つようにしくんだ授業である.
   ・葉脈標本作り……葉脈がはのすみずみまで行き渡っていることに感動.
                しかも,導管と師管の2系統あることもわかる.
   ・べっこうあめ……ガスバーナーを使いこなせるようになる.
   ・パフォーマンス・テスト,選択実験などを授業に組み込むと,放課後まで,理科室が生徒でいっぱいになることがある.
   ・夜間の星空観察会(年間で3回前後開催)や毎月の【星空の連帯】

●中学生になってからでも理科好きになる!……楽しく,納得する授業を.
『かがく』に掲載した卒業生のメッセージより.
・今まで理科が苦手だったり,嫌いだった人も,蓮田中の理科室で3年間過ごせばきっと理科が好きになれると思います.授業は,実験や観察が多いので,新しく発見できることも,とても多いと思います.小森先生の「理科は感動だ」というのがまさにぴったりだと私は思いました.(K.Mさん)

・僕は中学にはいるまで,理科は実験があるから好きだけど,テストで点数が取れないのがいやだという面もありました.実験をして楽しみながらそのときに要点をちゃんとチェックすると点数は少しでも上がります.実際に僕も理科のテストの点がだいたい20点ぐらい上がりました.(T.Tくん)

・私は小学生の頃,理科が大っ嫌いでした.しかし,中学生になり,理科が好きになりました.教科書を使わなく,先生が作ったプリントを使い,はじめの頃は本当に教科書を使わなくて,大丈夫なのだろうと不安になったこともありましたが,理科の授業は実験も多く,楽しい授業ばかりです.小学生の頃きらいだった理科もきっと式になっているでしょう.(K.Mさん)

・小学生の時は理科が嫌いな人も,中学校に入ったら理科が好きにならざるを得ないと思います.受験やテストのために勉強するのではないので,楽しく身につくし,いざテストをやってみるとスラスラ解けておどろきます.自分の疑問を大切にして学習しましょう.(K.Yくん)